「組み込み機器」「組み込みシステム」という言葉を聞いたことがありますか?いわゆる「コンピューター機器」の一種ですが、コンピューターという言葉は聞いたことがあっても「組み込み機器」は知らない方が多いと思います。しかし生活していく中の様々な場面で、実は「組み込み機器」にはお世話になっているのです。
この聞き慣れない言葉を、まず知りましょう。
では、「組み込み」とは何なのか。言葉の定義から見ていきましょう。
組み込みシステムの基本概念
「組み込みシステム」とは、特定の機能を実現するために電子機器に組み込まれているコンピュータシステム(コンピュータ+電気回路+ソフトウェア)のことです。私たちの日常生活にある家電製品、車、医療機器など、多くのものにはこのようなシステムが使われています。つまり、組み込みシステムは、特定のタスクを効率的にこなすために作られており、製品の中で見えないところで働いています。
組み込みシステムが組み込まれた電子機器を「組み込み機器」といいます。
なぜ「組み込み」なのか?
「組み込み」という言葉は、このシステムが製品の内部に組み込まれていることを意味します。一般的なデスクトップパソコンやスマートフォンのように、ユーザーが用途に応じたアプリケーションを選択できるデバイスではなく、特定の機能を提供するためにその製品の一部となって動作します。組み込みシステムは、必要最小限のリソースで動作するように設計されているため、省エネで効率的であることがほとんどです。
組み込みシステムの実例
- 自動車: 車には多くの組み込みシステムが搭載されています。エンジン制御、ブレーキシステム、エアバッグの展開など、安全と快適性を確保するために様々なシステムが協調して働いています。
- 家電: 多くの家電製品は、センサーを含んだ組み込みシステムを使用して効率的な動作を実現し、ユーザーに利便性を提供しています。
- 医療機器: 組み込みシステムは、心電図モニターやインスリンポンプなど、患者の健康を管理するための重要な役割を果たしています。
私たちの生活と組み込みシステム
組み込みシステムは、私たちの生活をより便利で快適にするために、日々働いています。それらは普段目には見えませんが、私たちがボタンを押すだけで機器が作動する裏側には、組み込みシステムが存在しており、迅速に情報を処理し指示を実行しているのです。
まとめ
組み込みシステムは特定の機能を持つ小さなコンピュータシステムであり、私たちの日常生活に密接に関わっています。家電から医療機器、自動車に至るまで、多くの製品に組み込まれていることで、便利で快適な生活を支えています。
組み込み技術者は、ユーザーが意識しなくても扱えるように考えて設計・開発しているのです。